東京都の小池百合子知事が「女性知事ならではの視点」として災害時に利用できる乳児用液体ミルクを、都立の保育施設で購入し、企業の生産ラインを確保する方針を提示したそうだ。
「乳児用液体ミルク」?聞き慣れない言葉だったのですが、それもそのはず日本ではほとんど流通していない商品でした。気になる乳児用液体ミルクの安全性や日本で普及しない理由についていろいろ調べてみました。
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乳児用液体ミルクってどんなもの?
「乳児用液体ミルク」とは、誕生から12か月までの乳児が母乳の代わりとして飲むことができるように、栄養成分を調整されたミルクで、いわば粉状の粉ミルクの液体版。
お湯で溶かして調乳する必要がない液体ミルクは、赤ちゃん連れで外出するときに重宝するそうです。
また、清潔な水がない災害時には赤ちゃんの命を救う貴重な栄養源になるんです。
今年4月の熊野地震で断水が長期間続き、哺乳瓶を十分消毒できないため、「子どもに安全なミルクをあげられない」と悩んだ母親たちに、海外の乳児用液体ミルクが届けられました。そして乳児用液体ミルクが災害時に役立つことがあらためて証明されたのです。
ボトルの蓋をあけて乳首の部分を取り付ければ完成。常温保存が出来るため防災用品としても注目を集めている。
乳児用液体ミルクの手軽さが実感できる動画
どうして日本で製造、販売しないんでしょう。便利なものが大好きな日本人なのに・・
乳児用液体ミルクの安全性は?
乳児用液体ミルクが日本の店頭に並ばないのは安全性に問題があるから?
実はこれがネックなんだと思っていたのですが、安全性については全く問題ないようです。
無菌充填されており、粉ミルクの製法では取り除けない細菌が液体ミルクでは滅菌できているほど。
常温保存でもOKですが開封後は必ず冷蔵庫に入れるとか、その点は気をつけないといけません。
(詳しくは商品の説明書を見てください)
災害時に役立つ乳児用液体ミルク、なぜ日本では流通していないのでしょう?
乳児用液体ミルクのWIKIを読んでみると・・
乳児用液体ミルクが国内販売されない理由のひとつにコスト面の高さがある。現在、明治乳業などの大手企業は技術面では液体状の乳児用ミルクを製造することができる。
しかし液体ミルクは粉ミルクに比べ、製造原価だけで粉ミルクの2倍、流通コストなども加わると3倍くらいになるとの見方もある。 従って、乳児用粉ミルクの市場が大手乳業メーカーの寡占状態が続いている日本においては、利益が下がる液体ミルクを販売しないのは企業としては当然のことである。
故に液体ミルクの製造は大手乳業メーカーの使命感にとよるところが大きい。 アメリカなどの諸外国では、乳幼児の食品に対する国民意識が高く、液体ミルクの製造に国家予算を投じている国も多い。
技術面ではクリアしているのにコストが見合わないから製造販売しないということなんですね。
森永乳業の公式ホームページでは乳児用液体ミルクについて下記のようなQ&Aがありました
「Q 液状の乳児用ミルクは作らないのですか? 海外にはそのまま使える液状のミルクがあるのに国内で発売しないのはなぜですか?」
「A 現在の法律では液状の育児用ミルクは「乳幼児用のミルク」としての規格基準が設けられていないため製造・販売は出来ません。 一方で、調乳用の水が不要な液状ミルクは、簡便性、災害時対応での利点が認められることから、当社ではこれまでも研究を行ってきました。すぐに発売することは難しいですが、今後も検討を続けていきたいと考えています。」
企業は「乳児用液体ミルク」についての法律が整備されていないからといい、厚生労働省は規格基準を設けるための資料を企業が提出しないからだといっているそうです。これでは話が一向に進みませんね。
しかし、「お出かけや災害の時に赤ちゃんがすぐ飲める乳児用液体ミルクを、日本でも製造・販売してください!」という署名キャンペーンがあるそうです。現在の署名は熊本地震以後、署名者の数が急増し40,000万人を超えたそうです!
ここまで来ると政府も動かないわけにはいかないとなりますね。
冒頭の話に戻りますが、東京都の小池百合子知事が「女性知事ならではの視点」として災害時に利用できる乳児用液体ミルクを、都立の保育施設で購入し、企業の生産ラインを確保する方針を提示した・・これって実はすごいことだったんですね。
乳児用液体ミルクの通販情報
店頭での購入はもう少し先になりそうですがネット注文は可能です。
現在の価格はかなりお高めです。国内で製造されることになり、広く浸透するようになれば大量生産になり価格も落ち着くことでしょう。
乳児用液体ミルクが店頭に並び、防災用品の必需品として認知される日が、もうそこまで確実に来ています。小池百合子知事の手腕に期待です!